高次の自分と繋がる―その2 自分を信じる

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自分を信じることが出来た時、光が見える

青い静謐な森の中に佇む一頭の白馬。

おそらく誰でも知っている東山魁夷画伯の代表的な絵である。

言わずもがな、国民的画家として皇居や唐招提寺など数々の大きな仕事を成し遂げた大作家である。

新国立美術館での今回の展覧会では、白馬などの代表的な作品に加えて、唐招提寺の襖絵が再現されていて圧巻だった。

特に、「山雲」はちょっと言葉では言い表せない。

気がつくと自分がその風景のなかにいた。

とにかく凄い。

人の仕事をはるかに超えたものがあった。私はそう感じた、とだけ言っておく。

是非一度ご覧になって下さい。

 

信じられないことだが、しかしご本人は70代になるまで自分は才能がない、と思っていたことを知った。ええっ⁈あの東山魁夷でさえ⁉

唐招提寺の襖絵の仕事をして、絵は上手い下手は関係ない、と。そこにどれだけ心を籠められるかどうかが大事なのだ、ということが分かった。それならば、自分が絵を描くということにも意味があるだろう、と気がついた、と。

それを知って、私は感動した。

あの東山画伯でさえ、そうだったのだ、という事実。

自分を信じる、ことはあの大作家をしても長いこと簡単なことではなかったのだ。

 

パステルはこれまであまり使ったことがなかった。

でも、色が画面上で混ざっていく感じがいいな、結構好きだな、と思った。

上手く描こうと思うな、と描きながら私は自分に言い聞かせた。

誰のためでもない、売ったりするためでもない、作品を作っているわけでもない。

形にしようとするな。

ただ心を空っぽにして指を使って色を混ぜることに集中した。

それでも気がつくと、バランスを取ろうとしている。

何も考えるな。色を混ぜることに集中する。

 

突然あの声が聞こえた。

「そんなことしたって何にもならない」

「アーティストなんて格好つけてるんじゃない」

 

でも、私は負けなかった。

「そんなこと、言いたかったら勝手に言えばいい」

「もうそんな声は聴かない」

 

「でも今まで守っていてくれたんだよね、ありがとう。私はもう一人で大丈夫だから」

 

そう言いながら描き続けた。

そしたら身体がすごく熱くなって、熱い涙が出てきた。

そうやって泣きながら描き続けた。

ハイアーセルフ(高次の自分)と繋がってる、と感じた。

 

ああ、これでいいんだな。

私、エゴに負けなかったよ。ふとした時にこうやって出てくるんだねえ~。

 

自分を信じることが出来た時、光が見える。

 

今日、この体験をした自分をすごく褒めてあげたい。

もしかしたらこの先、同じ道を通る誰かの励みになるといいな、と思って書いて残しておくことにします。

 

今日も読んで下さってありがとうございます。