紫陽花ガール~Flower Girl~

Finally, I can show you new papercutting works, one is Hydrangea Girl and another is Twin Sisters. I could also visit Myosho-ji Temple where have a beautiful garden with hydrangia and stone lantern. I spent a tranquil time there in this weekend. You will also find Hoksai’s Ukiyo-e named “Hydragia and Swallow” below.

ようやく出来ました。「紫陽花ガール」と「双子姉妹」です。

ajisai girltwin sisters週末の夕方暑さが少し納まる頃、堀之内妙正寺に行って来ました。都内でも風情な紫陽花の群生が楽しめるということで、すでに七月ですが、小さな望みを持って出掛けてみました。さすがに盛りは過ぎていましたが、都内とは思えないような静寂な景観のなか、ひっそりと苔むした石灯籠に寄り添うように涼しげなブルーが鮮やかな紫陽花が数株まだ咲いていました。もともと日本に自生するガクアジサイが原種だそうで、万葉集にも詠まれていますね。紫陽花にはやはり雨が似合います。来年はぜひ、6月の満開時、雨降りの日に訪れてみたいな、と思いました。

灯篭紫陽花2灯篭紫陽花1紫陽花3紫陽花1

こちらは、葛飾北斎の浮世絵 「紫陽花に燕」。

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寺社建築の立派な山門と祖師堂。木肌を活かした見事な彫刻も迫力があります。生前ご近所に住んでいらしたという作家有吉佐和子さんの碑もありました。

山門お堂3障子に映る美しい草木の影。週末、鮮やかな緑が目に優しい境内で、日頃の喧騒から離れて静かなひとときを過ごしました。

影

Princess of Violet~すみれの王女~

すみれの女王

She Dwelt among the Untrodden Ways

 

She dwelt among the untrodden ways

Beside the springs of Dove,

A Maid whom there were none to praise

And very few to love:

A violet by a mossy stone

Half hidden from the eye!

– Fair as a star, when only one

Is shining in the sky.

She lived unknown, and few could know

When Lucy ceased to be;

But she is in her grave, and, oh,

The difference to me!

 

William Wordsworth「 Lucy Poems」より

 

人里はなれて静かに暮らす

ダウの泉の傍らで

称賛されることもなく

愛されることもなく

岩畳に咲いた一輪のスミレ

人の目をはばかるように

星のような清楚な姿は

ひそかな輝きを放っていた

人知れず生きたルーシーは

誰も知らないままに死んだ

彼女は墓の中で眠る

私にとってかけがいのない人

壺齋散人 訳

この詩は、ギリシア神話のスミレにされた娘イオの物語を彷彿とさせます。5花弁の花を持つスミレは夜空に小さく美しく光る星をイメージさせます。「すみれの王女」と名付けました。

Easter Bunny

~Spring comes to all the world.~「すべてのものに春はやってくる」

easter rabbit

昨年の個展に合わせて制作した「Easter Bunny」です。イエスの復活とともに冬から春へと変わる季節を祝うイースター(復活祭)は、ゲルマン神話の春の女神「Eostre(エオストレ)」に由来するとされています。寒さ厳しい暗い冬から、草木が芽吹き動物たちが繁殖する春。イースターエッグを運んでくるイースターバニーは、祝日の前夜に子供たちに贈り物を届けるという伝承があるそうです。うさぎは、多産、繁栄、豊穣のシンボルでもあり、卵形のフレームに幸運のシンボルであるつばめも合わせてすべてのものに訪れる春と重ねて、これらの良きことがすべての人にもたらされるよう願いを込めて作りました。

FB公開ページで5 days art challengeと題して連日作品を紹介しています。こちらもどうぞご覧ください。

https://www.facebook.com/mayuara.art

 

Art Book Completion-Work in Progress 6

I am pleased to announce the art book of Narcissus has been completed at last! It was long way to come, and I considered a lot more about how each papercutting page should be put together to make the book structure work efficiently. For this, I made a few mock ups to experience if they functioned well. I also had to think carefully my procedure to go forward. This is important for making book. If your procedure is done wrong, you might have to start from the beginning again. I learned more about the right use of adhesive materials depends on kind of paper. This book will be exhibited at 7th International Artist’s Book Triennial Vilnius 2015 in Lithuania and other countries.

ようやくアートブック「Narcissus」が完成、無事リトアニアに発送されました。今回も様々新しいことに挑戦して学んだり再認識したこともたくさんあって、たとえば紙の種類によって使う糊をそれに適したものにすることとか、紙の目に沿って刷毛で塗らないと紙が丸まったり伸びて扱いにくくなるとか、普段製本する時気を付けていることではあっても、その都度紙によって何が適しているのか見極めて使用する必要があるということとか。また今回は蛇腹で表紙が全部つながっている構造にしたことで、紙の厚さや固さも考えないと全く開かないとか閉じない本になってしまう可能性があったので、試作を繰り返し本として成立させつつ、開いたときにナルキッソスの世界観や水仙、鏡、そしてそれらを内包する森の空気感をそこに表現できるようにした。蛇腹の面白いところは、展示の仕方を変えられるところにもある。箱のマーブルペーパーも今回は自作。以前作っていたものでなかなか出番がなかったので今回活かせてよかった。長い時間がかかったけれど、ほんの少し経験値が上がったかな、と思う。

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My Dress~Personal Histories

このところ連続で制作の記録をしてきたNarccisusのワークと並行して、オーストラリアでのPersonal Historiesをテーマにした展覧会に出品する作品にも取り組んでいた。こちらもドレスというイメージははじめからあったものの実際にスタートするまでに長い時間がかかり、もうひとつあったスプーンのイメージは最終的には今回は採用せず。作品のワンピースの原型は、実際に自分が夏の成人式のために購入してポートレイト写真を撮った時に着ていたワンピースで、今も愛用しているのだがこれとほぼ同寸で和紙を使って再現してみた。折りたためるようにするために、素材を工夫した。実際に着るのは無理だけれど、ちゃんと後ろ身ごろもついている。タイトな時間の中での制作だったが、新しいことにも挑戦出来たし何より塩竈の海やお祭り、神社の桜の景色とともにあり、風を感じられる仕上がりになったように思う。実はこの作品はこれで終わりではなく、今後も進化していく筈である。もう少し深い時間を過ごし表現するためにも。

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