Art Book-Work in Progress 5

ライナー・マリア・リルケ 「ナルシス」

ナルシスが死んだ その美しい姿からは絶え間なく まるでヘリオトロープの香りのように濃密な 彼の本質に近いものが立ちのぼっていった けれども彼の運命は自分をみつめることだった 彼は愛した 自分から出てまた自分の中へ帰ってきたものを そしてもはやあからさまな風のなかまじってはいなかった うっとりしてさまざまの姿の園を閉じ 自分を放棄しながら 彼はもはや存在することができなかった

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Art Book-Work in Progress 4

前回の続き。顔料で着色した切り絵のパーツを糸で綴じ、本の中身4つの場面が出来上がった。今回は場面に合わせて光沢のある細めの糸を使用、それぞれ3箇所を一線綴じにする。

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道端の水仙。なんて可愛らしい。あちこちで咲き始めている。下は、本の場面のなかの水仙。

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Art Book~Work in Progress 3

ErrorをテーマにしたNarcissusのアートブック制作の続き。やはり、今回はやはりプランを変更せず最初の構造案でいくことにする。切り絵の部分が重なった時どのように見えるのか、を考えながら下絵をおこし切っていくからだ。最終的には4つの場面をジョイントして仕上げ、写真のようにそれぞれの背同志をを合わせ円形に展示することを意図しているが、スペースに合わせて横に一列に並べて展示することも出来結構フレキシブルになる。

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下はナルキッソスとエコー。泉は鏡でもあるので、それを表すためにオフメタルを壁面に使用する予定だが今日はそれを下に敷いている。切出した部分に光が当たるとその影が映り込む効果もあって面白いのでメタルシートを使わなくともそれはそれでいい具合になるのだけど。これからさらに着色していきます。まだまだ終わりは遠い。

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Art Book~Work in Progress2

ナル5前回に引き続き、進行中のアートブックの進み具合の記録。計画していた構造でいくか迷っていたので、ほぼ切出した本の中身をいろいろな角度から眺めたり置き方を変えたりしてしばらく寝かせていた。構造を変えて置いてみたら、最初に意図していた森に囲まれた感じが出てこれもまた面白いし、発見もあったので記録しておくことにした。Book Artには様々な定義や形態があるが、私としては本としての機能を残したいと思っているので、構造を考える際大抵「閉じられる」ということを前提にして考える。だからこの場合も、畳み方(閉じ方)を工夫しなければならないし、立てて展示することを考えると枠にはもっと強度を加える必要があるな、と思った。やはり手を動かしてやってみないと分からないものだ。

ナル全体4ナル6

 

 

New Art Book ~in Progress1

Narcissusをテーマにした本の制作中。招待参加するBook Art のビエンナーレのテーマ “Error” に合わせて、泉に映った自分の姿に恋い焦がれ水仙に化身してしまったナルキッソスをテーマにしたものにすることをすぐに思いついたものの、本の構造やイメージが固まっても長い間なかなか進めることが出来ずに苦しい時間を過ごしていた。形にしようとすると途中でどれも違うと思ってしまい、やり直そうとしてもはっきりしたイメージが掴めなかったりの繰り返しで取り掛かるまでにとても時間がかかってしまった。本の構造を考えるのはいつでもわくわくすることだが、モックアップを事前に作って試してはいても実際に紙を切出してみると予想とは違うことが起こったりなかなか思うようにはいかない。そこが面白いところでもあるんだけれど。今回は写真のように紙を重ねた見せ方にはしないんだけど、特に切り絵はこうして重ねてレイヤーにするとやはりぐっと深みが増して面白くなるなあ、と思ったので写真に撮ってみました。

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