Liverpool Book Art Exhibition ‘Frankenstein or, The Modern Prometheus’ in 2018

現在、イギリスのリバプール中央図書館で開催中のリバプールブックアートの展覧会「フランケンシュタイン~現代のプロメテウス」」に出品中です。
メアリー・シェリー著「フランケンシュタイン」生誕200年を記念して企画されたこの展覧会。世界各国のブックアーティストたちがそれぞれのアプローチで独自の「フランケンシュタイン」をアートとしての本というメディアで表現している。

Pandora’s Box/パンドラの箱 2018

フランケンシュタインは映画の影響で、”つぎはぎだらけの醜い顔をした怪人”のイメージが定着してしまっているが、実は怪物を造った生みの親である博士の名前である。現代のプロメテウスという副題がついているのも、死人を寄せ集めて人造人間を造りだしてしまった博士の姿が、天界から火を盗んで人類に与えた古代のギリシャ神プロメーテウスと重なるところがあるからだろう。
人類が決して犯してはいけない神の領域に踏み込んでしまったフランケンシュタイン博士の行為は、禁じられた箱を開けてしまい人間にとっての厄災を解き放ってしまったパンドーラを私に喚起させた。そこで、今回のプロジェクトは箱のかたちを採用した。

箱の蓋の内外に記されたテキストは以下の通り。いずれも本文からの抜粋である。

“Did I request thee, Maker, from my clay
To mould Me man? Did I solicit thee
From darkness to promote me?-”

“A strange multiplicity of sensations seized me, and I saw, felt, heard, and smelt, at the same time”

 箱の外と内は、怪物が初めて自分の意識を持った、言い換えれば怪物が生まれた瞬間にいた森の中である。それを表すために植物の葉を顔料によるスパタリングで何層かに重ねて装飾した紙を使用した。

箱の内側の底の鏡は、水、反射するもの、写すもの、である。

丸くくり抜いたテキストは怪物の意識、言葉や細胞を、そしてそれらを繋ぐ赤い糸は血管や神経を象徴している。赤い糸が意識を繋ぐことで怪物の自我が生まれたのだ。

博士は自らの行いを後悔するが、それは既に禁断の箱を開けてしまった後のことであった。

展覧会は、8月9日まで。その後、巡回します。

Liverpool Book Art Exhibition,  celebrating the 200th anniversary of Mary Shelley’s Frankenstein / Running until 9 August.

Following the great success of 2016’s ‘Shakespeare Now’ exhibition, organisers will be celebrating 200 years since the first publication of Mary Shelley’s ‘Frankenstein or, The Modern Prometheus’ in 2018.

I’ll state my concept for this project below.

Frankenstein’s ambitious action reminded me genetic manipulation in our time. In other words, he stepped into a forbidden area beyond the power of human-being. The idea let me imagine the story of Pandora’s box. I found that there’s some similarity between the two in the point they opened a forbidden box. This is how the creature was created by Frankenstein and the reason why I applied box format in this project as well.

The box itself represents woods where the monster was born. He awoke as a man-made creature in this place.
Here’s text from the book on the box;
“Did I request thee, Maker, from my clay
To mould Me man? Did I solicit thee
From darkness to promote me?-”

When you open the lid, you see another text; “A strange multiplicity of sensations seized me, and I saw, felt, heard, and smelt, at the same time”

The tequnique I useed for the cover paper was spattering with leaves and Japanese pigments.  I think that the decorative one made in the layers of printed plants was effecitive in the use to create the atomosphere surrounded by woods.

A mirror in the box represents water or something to reflect. When the creature saw his figure reflecting in a stream, he found it was himself.

Text drops have metaphorical meanings such as the creature’s words, moreover his cells. Those drops are linked together by red thread which is a metapher as his blood or nerve. What I tried to express inside the box was the state of the monster’s consciousness. This is how I interpreted the story and reconstructed it as a book object.

2018.5.14~8.9 Liverpool Cenral Library Hornby Room

2018.9.17~2019.1.26 Kirkby Gallery, Knowsley

 

Workshop Report~『絵本作り3~完成:それぞれのお話』

ほぼ2か月にわたって取組んできた絵本作り。みなそれぞれのお話が完成しました!
ここにその一部をご紹介します。

いつもながら色の合わせ方にハッとするものや形の組合せが面白いもの。お話の中からQ&Aをつくったり、めくると何かが現れたりするなど様々に仕掛けを工夫してあるものや栞まであるものも。子供たちの個々の発想に感激!です。

初めは不安そうだった子も、全員がお話の種を見つけるのに成功し、それを育てることで仕上がった本は宝物です。そこから更に発展する物語の予感を感じさせられるものも。みんなの心に宿ったそれぞれの物語を大事にして、大きく育てていってくれることを願いつつ。

その奇跡を見せてくれたことに感謝、そしてこの機会を与えれくださり伴走してくださった先生方に、ありがとうございます。

Workshop Report~『絵本作り2~お話の入れ物をつくる』

さて、最初のお話の種を見つけてから子供たちはそれぞれの物語を視覚化していきました。

その後、それを文字に起こしていよいよ文章にしていきます。これはこれでまた苦労もあったことでしょう。出来上がった文章は、折本に清書をすることにしました。

そして今回は、絵と文をひとつにするための入れ物(カバー)を作ります。こちらは見本として作ったもの。

自作のお話を子供たちに紹介すると、し~んと真剣に聞き入ってお終いには「おお~、すごい!」という歓声と拍手が自然に!やったあ~!!と心の中で思わずにんまりとガッツポーズ。だって、作っている最中の私がドキドキワクワクして楽しかったから、きっとそれがみんなに伝わったんだね。

内側には絵と文を入れるためのポケットのほか、物語に登場する小物をコレクションしておくための窓や小さなポケットもつけました。外側は表紙・裏表紙となるので、タイトルのほか帯もつけました。

この本の面白いところは、開くと一枚の地図のようになること。一本の線の上にお話が展開してつながっているんです。
さてさて、どんなお話が語られるのでしょう。完成を楽しみに待ちます。

Workshop Report~『絵本作り1~お話の始まりを考える』

1月から2か月、3年生の絵本作りにゲストティーチャーとして関わらせて頂きました。

今回はせっかくなのでアート的手法を用いた絵本作りをご提案。お話の始まりを考える、ところからスタートしました。いきなりお話を考えるという高いハードルをアート的な思考を採用することで乗り越えやすくしようという試みです。

This is a report about how I strated to work with children for making original picture books. You may find it’s not easy to invent an original story, because many of us have never made a story.

1回目は、「お話のタネを探す」をテーマに白い画用紙に一本の線を描いたらどうなるか、そこに見つけたかたちの中に隠れているお話の種をそれぞれ探してもらいました。

I call this book format “Map Book”.  I found it was a quite good way of making a story, because it helps us to find a hint of that; ‘a seed’ of story. You can see the all pictures along a drawing line, when a book is spread out. It just like a map as you can see the images below.This is the reason why I named the book form so.

真っ白な紙に一本の線を思い切って描くだけでも、結構みんなドキドキ。
好きなように線を描くのも勇気がいるものです。きっと失敗を恐れてしまうからですね。でも、この方法の良いところは「失敗はない」ということです。これはほかの切り紙のワークショップでも云えること。例え思い通り行かなくても、今手にしているところから始めればいいだけなんですから。

始まりの方法は同じでも、見つけたお話の種はみなそれぞれ違うもの。それを大切に育ててお話を紡いでいきました。

 

Workshop Report~『花のポップアップカード』

卒業を控えた6年生を対象に、お世話になったひとたちに感謝の気持ちを伝えるカードづくりに挑戦させたい、とのご相談を受けて始まったワークショップ。

紙とハサミを使った切り紙のポップアップカードを作りました。花の種類は3つ、バラ、チューリップ、カーネーション。 カードを開くと、紙の花が開いてそのまま立てて飾ることもできます。

予定の時間を過ぎても最後まで粘って全員が完成!88それぞれの色とりどりの紙の花が咲きました~。みんなの感謝の気持ちはそれを手にしたひとたちにきっと伝わったことでしょう。

みんなと出会えて嬉しかったな。私にとっても貴重な経験でした。ありがとうございます。 これから新しい場所でそれぞれの花を咲かせてくれることを願っています。

卒業おめでとうございます。