このところ連続で制作の記録をしてきたNarccisusのワークと並行して、オーストラリアでのPersonal Historiesをテーマにした展覧会に出品する作品にも取り組んでいた。こちらもドレスというイメージははじめからあったものの実際にスタートするまでに長い時間がかかり、もうひとつあったスプーンのイメージは最終的には今回は採用せず。作品のワンピースの原型は、実際に自分が夏の成人式のために購入してポートレイト写真を撮った時に着ていたワンピースで、今も愛用しているのだがこれとほぼ同寸で和紙を使って再現してみた。折りたためるようにするために、素材を工夫した。実際に着るのは無理だけれど、ちゃんと後ろ身ごろもついている。タイトな時間の中での制作だったが、新しいことにも挑戦出来たし何より塩竈の海やお祭り、神社の桜の景色とともにあり、風を感じられる仕上がりになったように思う。実はこの作品はこれで終わりではなく、今後も進化していく筈である。もう少し深い時間を過ごし表現するためにも。